白岩焼歴史年表

西暦 年号 出来事
1767年 明和4年 相馬焼の流れを汲む松本運七が、相馬大堀(現福島県)から現在の西仙北町心像(こころやり)に居住し、製陶を試みる。
1770年 明和7年 運七、製陶に成功するが、地元民といざこざを起こし移転
1771年 明和8年 運七、白岩に良土を発見。角館の武家宮崎善四郎・蓮沼七左衛門・小高蔵人の3人と陶業を興すことを協議、9月に窯に火入れ。弟子に山手儀三郎・千葉伝九郎・多郎助・菅原助左衛門。しかし、開窯から4年間は不調であった。
1773年 安永2年 佐竹藩の鉱山指導に招いた平賀源内の要請で、儀三郎・伝九郎の二人がルツボ製作のろくろ師として同行。
1774年 安永3年 運七、取立役の小高蔵人らと意見衝突し、瀬戸山より退山、横手に移るが四月に没する。運七の妻は横町の出身。
1775年 安永4年 山手儀三郎が運七に変わり窯主となる。
1780年 安永9年 宮崎善四郎の申し出により、白岩焼の分派菅沢窯開窯。 瀬戸細工人の1人に小田野兎毛がいた。
1782年 天明2年 儀三郎、運七以来の古窯を廃して、儀三郎窯(イ窯・上窯・上小屋)を築く。
1785年 天明5年 渡辺嘉左衛門・吉五郎父子の願い出により吉五郎窯(ロ窯・下窯・下小屋)が成立。
1786年 天明6年 儀三郎上洛し、五条坂の楽焼師治兵衛のもとで1年間修業、京焼・金釜・楽焼を伝授される。また京三条粟田口、帯屋忠衛門より釉薬の調合を口伝される。
1787年 天明7年 菅沢窯の成績ふるわず寺内山(現秋田市)に移転、寺内窯築窯。取立役宮崎善四郎・蓮沼七左衛門・小高蔵人、また初代儀三郎がその指導にあたった。
1789年 寛政元年 寺内窯の取立役宮崎善四郎・小田野兎毛の2人になる。兎毛は生涯を寺内窯に尽くす。
1794年 寛政6年 初代儀三郎、11月に没す。
1811年 文化8年 初代儀三郎死後、不幸や不祥事続きの儀三郎窯であったが、その次男が2代目となり復興を図る。しかし、同年12月22日夜、火災を発し家財残らず焼失。 この2代目は白岩焼初期の様子を伝えた「磁器山永暦」を書き残す。
1813年 文化10年 この頃藩主佐竹義和公より、度々白岩焼の茶碗・香合・水指等の注文あり。
1840年 天保11年 白岩焼最後の名工として名高い山手瀧治誕生。没年明治39年。
1844 年 天保15年 白岩に棒太郎事件発生。渡辺勘左衛門・山手儀右衛門等白岩焼関係者にも処罰あり。
1850年 嘉永3年 下窯係争事件発生。吉五郎とその本家勘左衛門が窯株を巡って対立。 下窯は吉五郎が相続し、勘左衛門が新たに窯を興す契機となる。
1852年 嘉永5年 この頃渡辺勘左衛門開窯(ハ窯)前郷地内に初めての窯。
1855年 安政2年 下田忠右衛門、寺内窯に白磁窯(太白窯)を創設す。
1856年 安政3年 細川孫兵衛開窯(ニ窯)前郷地内に。
1857年 安政4年 高橋多市郎開窯(ホ窯)瀬戸山御免地内に。
1861年 文久元年
  • この頃菅原吉重郎開窯、前郷地内に。
  • この頃孫兵衛窯、窯を屋敷裏の林の中に移す。
  • この頃荒川尻焼が盛んに作られる。伊太郎・和兵衛の二窯あり。
  • 和兵衛窯は、角館町横丁の佐藤武兵衛という腕の確かな陶師匠を招いた。
1867年 慶応4年 窯主渡辺亀吉の死去に伴い、吉五郎窯(ロ窯)廃窯。 横手鍛冶町の太田五兵衛等が、白岩焼の陶工木元久吉を招いて、中山窯を興す。
1878年 明治11年 儀三郎窯の陶工門脇常吉、豊岡で栗沢焼を始める。職人に常吉の弟で山手儀市郎の養子となった山手儀助がいた。 昭和15年頃まで焼成。また明治中頃、常吉長男堅蔵が近くに大神成焼を始め、大正初年まで続く。
1880年 明治13年 勘左衛門窯、白磁染付を行う。
1882年 明治15年 孫兵衛窯(ニ窯)廃窯。
1884年 明治17年 この頃より多市郎窯、白磁染付を行う。
1886年 明治19年 この頃儀三郎窯(イ窯)廃窯。
1890年 明治23年 勘左衛門窯(ハ窯)廃窯。
1896年 明治29年 真昼山地震で、多市郎窯(ホ窯)・吉重郎窯とも壊滅したが、吉重郎窯は一時復興す。
1900年 明治33年 吉重郎窯の廃窯により、白岩焼の窯はすべて廃窯。
1933年 昭和8年 渡辺為吉、白岩焼の集大成「白岩瀬戸山」を著す。為吉の父はハ窯の二代目雄之助、また子息は洋画家渡辺浩三。
1953年 昭和28年 10月5日、白岩焼11点及び白岩焼窯跡6ケ所、秋田県指定文化財に。 
1956年 昭和31年 5月21日、荒川尻焼大皿、秋田県指定文化財に。   
1974年 昭和49年 秋田県の招聘により濱田庄司が来角、白岩陶土の分析を依頼される。この時、濱田より復興を目指していた渡辺すなおへ指導提言があり、この出会いが再興への大きな推進力となる。
1975年 昭和50年
  • 渡辺すなお、白岩前郷に和兵衛窯を興す。また同時期、雲雀誠亮・亮一父子が 久右衛門窯、木元哲良が與吉窯を興す。
  • 角館町立美術館開館。白岩焼特別展を3回実施。
1978年 昭和53年
  • 4月17日に白岩焼2点、12月6日に5点が角館町指定文化財に。
  • 角館町伝承館開館。現在まで白岩焼特別展を7回実施
1987年 昭和58年 白岩焼陶芸館開館。平成9年度で閉館。
1992年 平成4年 12月4日、白岩焼1点、荒川尻焼恵比寿人形1点が角館町指定文化財に。
1993年 平成5年 和兵衛窯、濱田晋作指導による登窯(4室)にて初窯焼成。

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