○仙北市産業振興基本条例
平成23年9月27日条例第26号
仙北市産業振興基本条例
わが国は人口減少国に転じ、地域社会はこれまで経験したことのない大きな変革期を迎えている。
仙北市における農業では、農地の荒廃や後継者不足等、深刻な課題を抱えており、商工業においても、経済の国際化や地域商店街の空洞化、急速な少子高齢化や人口減少に伴い極めて厳しい経営環境に陥っている。さらに不安定な雇用事情と相俟って市財政も逼迫し、危機的な地域経済の疲弊が懸念される。
仙北市は歴史や文化、人材、自然環境など多くの資源に恵まれている。未来へと続くまちづくりを成し得る資源はすでに自らの手中にあることを自覚し、それぞれが同一の目的のため主体的に行動を起こす必要がある。市勢が前進するエネルギーはその結集からのみ生み出されると確信する。
仙北市の産業を支える事業者は、雇用による市民所得の向上等、地域経済の振興・活性化のための極めて重要な担い手である。
仙北市は今こそ自らの存続と繁栄のため、産業振興をまちづくりの礎と位置づけ、市民・事業者・行政が一体となってその推進に挑戦するときである。
ここに、産業振興についての基本理念を明らかにするとともにその方向性を示し、産業振興を総合的かつ恒常的に推進し仙北市の健全な発展と市民福祉の向上に資するため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、仙北市における産業振興に関する基本事項を定め、その振興に関する施策を総合的に推進することにより、事業者の自主的な経営意欲を助長するとともに、その経営基盤の強化を図り、もって市民生活の向上、活力ある地域経済及び環境と調和した永続性のある地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 事業者 市内において農林水産業も含め、産業を営む全ての者をいう。
(2) 経済関係団体 商工会、商店会、農業協同組合その他の産業振興を目的として組織された団体をいう。
(基本理念)
第3条 産業振興は、事業者自らの創意工夫及び自助努力を基にして、市、事業者及び市民が一体となって推進するものとする。
2 産業振興は、地域経済の活性化及び雇用の拡大に寄与するとともに、産業に携わる人材の育成に努めることを旨とする。
3 産業振興は、本市の特性を生かし、事業者、教育機関、人材等の地域資源を積極的に活用して推進するものとする。
(市の責務)
第4条 市は、第1条の目的を達成するため、国、県及びその他の地方公共団体並びに経済関係団体との連携を図りつつ、事業者の自主性を尊重し、産業振興に関する施策を推進しなければならない。
2 市は、施策の実施にあたっては、事業者及び市民から意見を聴取するとともに、事業者の状況を的確に把握し、その実施のために必要な施策及び、財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(基本的な施策)
第5条 市は、産業振興に関する基本的な施策を推進するための計画を策定し、次に掲げる事項を実施するものとする。
(1) 事業者の経営基盤強化及び経営健全化の支援に関すること。
(2) 新技術、新製品の開発支援に関すること。
(3) 販路拡大と経営革新の促進に関すること。
(4) 創業及び新事業の創出促進に関すること。
(5) 観光資源及び地域特性を生かした観光振興に関すること。
(6) 産業を担う人材の育成と雇用の確保に関すること。
(7) 伝統工芸品等の保護、育成及び技術継承に関すること。
(8) 事業者の受注機会増大と事業者が扱う物品・役務等の市内消費の拡大に関すること。
(9) 前各号に掲げるもののほか、産業振興に必要と認められる具体的事項に関すること。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、基本理念に基づき、市、経済関係団体が行う産業振興のための施策等に積極的に協力し、地域の産業振興に貢献するよう努めるものとする。
(経済関係団体の役割)
第7条 経済関係団体は、基本理念に基づき、自ら産業振興のための事業に取り組むとともに、事業者の活動を支援し、地域の産業振興に貢献するよう努めるものとする。
(市民の理解と協力)
第8条 市民は、基本理念を理解し、産業振興が自らの生活をより豊かにし、地域の活性化はもとより地域の存続に寄与することを理解し、市内での消費や事業者からの役務の利用などに心掛け、その健全な発展に協力するよう努めるものとする。
(産業振興推進委員会の設置)
第9条 市長は、この条例に掲げる産業振興に関する基本的な施策についての重要な事項を調査、審議するため、仙北市産業振興推進委員会を置く。委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、別に定める。
(見直し手続き)
第10条 市長は、一定期間毎にこの条例の有効性を検証し、必要に応じて見直しを行うものとする。
(委任)
第11条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。