名誉館長

名誉館長 高井有一氏

新潮社記念文学館の名誉館長は、小説家高井有一氏です。

昭和41年に芥川賞を受賞された作品「北の河」は、高井氏が角館町ですごされた体験を描いたもので、「北の河」とは角館町の中心部を流れる桧木内川と南西部(落合球場周辺)で合流している「玉川」を指しています。

名誉館長 高井有一氏
文学館南壁の陶板

秋恒例の「文化講演会」は、昭和39年から続いており、その講師は高井氏の紹介によるものです。新潮社記念文学館外壁に飾られている陶板の色紙は、来町された記念に講師が書き残してくれたものです。

高井有一氏プロフィール

本名田口哲郎。田口掬汀の孫に当る。

早稲田大学文学部卒業後、共同通信社に入社。記者として勤務するかたわら小説を書き、立原正秋、加賀乙彦らとともに同人雑誌「犀」(さい)を創刊した。

戦時中の昭和20年(1945)、角館町に疎開し、母親の自死に遭った体験にもとづいた小説「北の河」で第54回芥川賞を受賞。祖父掬汀と佐藤義亮、平福百穂をモデルに、明治青年の夢の行方を追った「夢の碑」、昭和初期の秋田の生活綴方運動を主題にした「真実の学校」では、いずれも東北の風土と人間に目を向けている。そのほか老年にさしかかった男の日常を見据えた「夜の蟻」、映画界の盛衰を描いた「高らかな挽歌」等の作品がある。

平成28年(2016)年10月26日に85歳でご逝去されました。

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仙北市新潮社記念文学館