公共文化施設:新潮社記念文学館
企画展 平成16年度
タイトル | 期間 |
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平成16年12月7日 〜平成17年2月20日 |
『富木友治展』 -角館の巨人- 富木友治の生涯とその仕事 |
平成16年9月18日 〜平成16年11月23日 |
『渡辺浩三 パリの街』 椎名其ニ 忘れ得ぬ人 |
平成16年7月31日 〜平成16年9月12日 |
『秋田に生きる喜び』 版画と切り絵 |
平成16年6月12日 〜平成16年7月25日 |
『松岡達英原画展』 君は父さんが小さかったときの話を知っていますか |
平成16年3月20日 〜平成16年6月6日 |
『先人からのおくりもの』 2002年 新潮社出版書籍
『富木友治展』
-角館の巨人- 富木友治の生涯とその仕事
富木友治展によせて
富木友治という男が亡くなって36年の月日が流れました。
色白の巨躯にギョロリとした目玉、気性が激しく少しわがまま。しかし彼は同時に、憂いを含んだ繊細な詩情と、人々をひきつける不思議な魅力を備えた「角館の文化の象徴」でもありました。
持病の喘息に苦しみながら友治は、民俗に関する研究や郷土芸能の研究、作家活動のみならず、樺細工の技術向上のためにも奔放しました。さらには、地域新聞「北仙民友」のコラムを担当し、晩年は農村モデル町立角館図書館の初代館長をつとめるなど、角館の顔として活躍を続けました。
2004年9月 新潮社記念文学館
富木友治のおいたち
富木友治は大正5年2月5日、角館町横町50番地に庄助・タツの六男として誕生した。富木家は地主として、また父庄助が羽根ケ台(田沢湖町)に土地を拓いたことや、母タツが日本画壇の重鎮として名を成した平福百穂の妹であることなどもあって、地元では資産以上の名声があった。
こうした裕福な生いたちを持つ友治は、幼少時には病弱で人並み以上に大切に育てられた。しかし隣家に乳をもらいにいっていた関係で、そこで見知った会話や市井の逞しい生活力が、地主階級にない新しい世界に眼を向けるきっかけともなっていった。後年、この記憶を辿って綴った和装の自筆本「くちびわの記・上」が残されている。
富木庄助・タツ夫妻