平成28年度 施政方針(抜粋)

政策の基本方針

仙北市誕生から10年の節目となった昨年は、仙北市行政が内包する慢心を引き金に、起きてはならない様々な事件・事故が連続しました。市民の信頼を取り戻そうと対応に追われた1年でした。また、諸課題に向き合い、改過自新を心に刻みながら、今後の10年の仙北市の歩むべき道筋を模索した一年でもありました。

平成28年度は、平成37年度までを対象期間とする第2次総合計画の初年度です。同時に平成31年度までを推進期間とする総合戦略の実質的なスタート年度と言うことができます。さらには昨年、国の指定を受けた地方創生特区・近未来技術実証特区の優位性を活かした取り組みも本格化します。新年度は、仙北市の生き残りをかけ、攻めの姿勢に転じます。市長として初めて登庁した日の心持ちで、次期総合計画に掲げた「健やかに美しく輝くまち」を基本理念に、「小さな国際文化都市~市民が創る誇りあるまち~」の実現に向け、力強く一歩を踏み出します。

今、地方自治体は、地方創生の旗印のもと、従来手法や既成概念にとらわれない、全く新たな発想で地域産業の振興や人口減少対策、そして活力を維持し高める地域社会の創造が求められています。

全国自治体がそれぞれ競い合い、知恵を絞り合うなかで、仙北市の強みを最大限に活かしきる最大努力を傾注します。議会の皆様のご意見、市民の皆様の声を丁寧に受け止めて、行政運営にあたります。

主要プロジェクトの推進については、町村合併以来の懸案となっていた統合庁舎の整備は、市議会庁舎建設特別委員会の中間報告を受け、角館駅前地区での整備方針をさらに精査し、年度内の事業着手を目指します。同特別委員会から要望のあった事業費の見直しは、これまでの 作業の中で、市が構想した角館総合病院跡地の事業費との乖離額10億円は、何とか圧縮できる見込みです。また、市立角館総合病院の移転改築は、来春早々、新施設での開業に向け工事を着実に進めます。アクセス道路となる市道岩瀬北野線の完成も同時に目指します。田沢湖病院には、通常の医療業務を行いながら、特区テーマの温泉と医療のヘルスケアツーリズムを実現する、医師1人が新たに着任します。田沢湖クニマス未来館(仮称)は本体建設工事に着手し、国・県・大学等と連携した田沢湖再生の基礎調査・研究活動を進めます。地方創生特区・近未来技術実証特区事業は、外国人医師の招へいを叶える取り組みを強化し、農業生産法人を含む幅広い産業の担い手づくりに障害となる規制緩和の実現、またドローンや無人車両での自動運転など新技術を確立するための実証実験の実施や、関連産業の誘致育成を加速し、国内外からの雇用と定住につながる法的緩和の実現で、新たな就労を生み出す環境整備を図ります。この他、就労ビザや機能性化粧品に関する規制緩和など、新たな規制緩和案を政府に提案します。

総合戦略の基本目標に掲げた産業振興では、雇用力の増強と市民経済の底上げを図ります。農業は意欲ある経営体の規模拡大、複合化と6次産業化、法人化等の取り組みをさらに加速します。薬用作物や各作物の仙北ブランドの創出・定着にも努めます。畜産は、その中心的な 役割を担う畜産経営体の施設等の整備を支援する国庫補助事業を新たに導入し、堆肥処理施設、養鶏業の施設拡充など、悪臭対策も視野に入れた取り組みに着手します。市内中小企業の育成支援は、新規開業や事業拡大を支援する市独自の中小企業活性化支援事業費補助制度を強化します。観光は、北海道新幹線開業に向けた対応、また台湾に加えてタイやアジア諸国からの観光客誘致活動、秋田県観光連盟及び田沢湖・角館観光連盟に職員を派遣するなど、インバウンド対策、コンベンション機能の強化を図ります。道路等の整備では、都市計画道路・田町荒屋敷線の内川橋の整備に着手します。教育分野では、学校適正配置の研究検討、総合給食センターの調査検討、総合体育館の調査検討に着手します。また、ドローン学習事業を新たにスタートさせます。温泉事業は、新水沢源泉から田沢湖高原温泉郷への引湯管布設工事で安全・安定的な温泉供給を目指します。水道事業は、水道未普及地域解消事業で飛び地区域の整備を進めるほか、簡易水道事業は神代地区の拡張事業を引き続き実施します。

総合戦略の移住・定住対策については、定住希望者に対する情報発信と受け入れ態勢の強化を基本に、これまでの施策の推進に加え、移住資金の支援制度や次世代定住支援事業補助金等による事業の拡大など、複眼的なアプローチで多様な人材の定着を目指します。

同じく総合戦略で掲げた少子化対策では、子育て世代の経済的支援制度の充実を格段に前進させます。出産時お祝い品贈呈事業の新設、既に出生している第二子を含む保育園・認定こども園の新たな保育料助成制度の実施、利用料が半額となる放課後児童対策、市奨学金事業では仙北市へ就労した場合の返還免除制度の開始、小学生までだった医療費助成制度の中学生への拡大、秋田内陸線を利用する中高生を対象に通学定期補助金制度の実施など、思い切って踏み込んだ制度設計としました。また、民間と連携して既に実施している住宅ローン利率の低減に加え、マイカーローンや教育ローンなど支援事業の造成に向け、年度内にあっても拡充政策を立案しながら、日本一子育てに優しいまちづくりを進めます。

さらに総合戦略で基本目標とした新たな地域社会の形成では、協働によるまちづくり基本条例のもと、日々営まれている市と地域、市民の皆様との協働作業が、理念だけに留まらず、実態として機能し、歯車が力強く動いていることが何よりも肝要と考えています。地域運営体の皆様、個人・団体として、様々な地域づくりにご尽力いただいている皆様に対する支援を引き続き行い、一体感を醸成できるよう、その一翼を担う市職員のさらなる意識変革を促していきます。また、地域おこし協力隊も増員し、市内資源の発掘等にも力を注ぎます。

次に、平成28年度の現状での人事・組織改変についてです。

合併から10年が経過し、この間ご活躍をいただいた地域審議会に替えて、総合計画や重要施策に関する提言、進捗管理・成果検証を行う総合政策審議会を新たに設置します。

総務部は、地方創生・総合戦略統括監を部長級で配置し、直下に地方創生・総合戦略室を新設します。現在の定住対策推進室は廃止し、業務は地方創生・総合戦略室があたります。また、同室に田沢湖再生専門官を置き、田沢湖再生とクニマス里帰りについての業務を進めます。 企画政策課で行う田沢湖クニマス未来館建設と連携しての業務となります。結婚関係業務も、子育て推進課から同室へ移転します。市制10周年記念事業推進室は廃止します。

市民福祉部は、事件を踏まえ、環境保全センターを市民生活課の所属機関から独立させ、廃棄物係と施設運営係を配置します。市民生活課は環境保全係を廃止し、生活環境係を配置します。子育て推進課は法人化準備室を廃止し、だしのこ園・神代こども園も、法人化により廃止します。

教育委員会は、教育総務課と教育指導課を統合します。また、空席となっていた病院事業管理者も着任予定です。

なお、平成29年度以降の組織については、にしき園の今後の在り方について検討するとともに、建設課と都市整備課の統合、企業局と下水道課の統合、温泉事業担当部署の所在の検討などを行います。その後も段階的に組織再編を行い、統合庁舎移行時には市長部局3部体制を目指します。

市長室に関するお問い合わせ

仙北市総務部総務課

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